不動産広告などを見ていると、よく見かける「帖」の字。
一畳も一帖もどちらも「いちじょう」と読み、「和室6畳」「洋室8帖」といったように同じような意味で使われています。
この「畳」と「帖」、意味や大きさに違いはあるのでしょうか?
「畳」と「帖」の違いについてまとめました。
一帖は一畳と同じ意味。一帖は畳一枚分の面積のこと
「畳」は言うまでもなくタタミ一枚、一畳のことですね。
「帖」はもともと帳面や折り本をあらわす言葉で、紙や屏風などの薄いものを数えるときの単位でもありました。
たとえば源氏物語は全部で54帖ありますが、「帖」はこのように書き物を数える際などに使われていました。
その後そこから派生して部屋の広さを表す単位としても使われるようになりました。
この「畳」と「帖」、じつは全く同じ意味。
一畳=一帖で、一帖はタタミ一枚分の面積を表します。
昔は部屋といえばタタミ敷きの和室が基本でしたから「一畳、二畳」の表記で問題ありませんでしたが、現在は住宅のほとんどが洋室で和室を設けない家も増えていることから、「畳」のほかに「帖」の字もひろく使用されています。
不動産広告などでは「畳」は和室の広さを表すときに、「帖」は洋室の広さを表すときに使われることが多く、和室洋室関係なくすべて「帖」の表記で統一していることもあります。
「畳」と「帖」は意味は同じでも大きさに注意
「一畳」と「一帖」は同じ「タタミ一枚分」という意味ですが、大きさには注意が必要です。
というのも、じつはタタミの大きさは全国共通ではないんです。
地域や年代によっていろいろな大きさのタタミがあるため、ひとくちに「畳」といってもその面積は様々。
たとえばいちばん大きなタタミの規格である「京間」は一畳約1.82㎡、いちばん小さな規格である「団地間」は一畳約1.44㎡と、同じ一畳でも約0.38㎡、長辺の長さでいうと約21㎝もの差があります。
トラブルを防ぐため、不動産広告などでは一畳当たりの広さを1.62㎡以上とするよう定められています。(不動産の表示に関する公正競争規約施行規則-表示規約施行規則第11条第16号)
1.62㎡というと上の図のちょうど真ん中にあたるサイズで、中京間と江戸間の間くらいの大きさですね。
そのため、不動産広告など間取り図上では、一畳=一帖=1.62㎡。
一部では1.62㎡ではなく中京間の1.65㎡としているところもあるようですが、基本的には一帖=1.62㎡ということになっています。
まとめ:畳と帖に違いはない
「畳」と「帖」の意味に違いはなく、1畳=1帖であり6畳=6帖です。
タタミ敷きの部屋が減った現在では、「畳」は主に和室の広さを表すときに使われ、「帖」は洋室の広さを表すときに使われることが多くなっています。ただしこれはあくまで傾向で、不動産会社等によっては和室洋室関係なく「畳」で表すところもあれば「帖」で統一しているところもあります。
表記が「畳」「帖」のどちらであっても、大きさは1.62㎡以上であることが定められています。
間取り図上ではなかなかわからない一帖の大きさ。
とくに古い建物などでは建物や地域によって使われている畳の大きさが違うことも多いです。
旅行などで歴史のある宿に行ったとき、『8畳なのに意外と広い』と思ったり、逆に『10畳のはずなのに思ったよりも狭い』と感じたりすることがありますよね。もしかしたらそれは使われている畳の大きさに関係するのかもしれません。