日本の家には欠かせない「畳」。
畳の部屋は昔に比べ減ってはいますが、畳でしか味わえない独特の柔らかさとい草の良い香りは、私たち日本人の心を落ち着かせてくれますよね。
畳を長く愛用するためには、正しい掃除方法を知ることが大切です。
身近な素材ですが、意外と正しいお手入れ方法を知らないという人も多いようです。
「たまには水拭きした方がいい?」
「畳に洗剤やアルコールは使っていいの?」
実は、これらの方法は畳にとって良くない場合があるんです。
畳の寿命を延ばし、いつまでもきれいに保つために、正しい畳のお掃除方法をマスターしていきましょう!
畳の拭き掃除、乾拭きが正解で水拭きはNG!
畳の拭き掃除は乾拭きが基本。畳を水拭きすると湿気がカビの原因に
畳を拭き掃除するときは、乾拭きが基本です。
表面のほこりやゴミを取り除いたあと、ぞうきんなどを水で濡らさず乾いた状態で、畳の目に沿って拭き掃除をします。
普段のお手入れはこれで十分。
畳を水拭きするとその水分を畳が吸い込んでしまい、湿気でカビが発生しやすくなってしまいます。また湿度が高い環境ではダニも発生・繁殖しやすくなるため、せっかくの畳がカビやダニの温床になってしまうことも。
乾拭きでは落ちないひどい汚れがあるときは水拭きをする場合もありますが、基本的に畳を水拭きすることは避けましょう。
汚れがひどく畳を水拭きする場合のやり方
畳に乾拭きでは落ちない汚れが付いている場合は、例外的に水拭きしても大丈夫。
ただしその場合は以下のことに気を付けましょう。
- 固く絞ったぞうきんを使う
- 畳の目に沿って水拭きする
- 水拭きの後すぐに乾いた布で畳の目に沿って乾拭きする
- 拭き掃除のあとは換気をするなどして部屋の湿度を下げ、畳をよく乾かす
水分が残ると畳が傷みやすくなるので、やむをえず水拭きをする場合はその後しっかりと畳を自然乾燥させてあげるのがポイントです。
畳は調湿性能がある快適な素材。だからこそ湿度管理が大切
畳は畳表(たたみおもて)と呼ばれる表面が「い草」でできています。
い草の断面は無数の穴があいたスポンジのような構造になっており、クッション性があるだけでなく温度や湿度を調節し、部屋を快適な空間に保ってくれます。畳は天然のエアコンのような役割を果たしてくれるんです。
天然素材でありながらすごい性能をもつい草の畳ですが、湿度を調節する力があるということは、湿気が多いときには湿気を吸収し、湿度が低い時には蓄えた湿気を発散するということ。
つまり畳は湿気を蓄える性質があるため、湿気が多すぎるとカビの温床になってしまうこともあります。
だからこそ畳は湿度管理が大切です。
せっかくの畳をきれいに保つために、拭き掃除の後はもちろん、日ごろから晴れた日には換気をして湿気を長く留めないようにしましょう。
畳の拭き掃除に洗剤は必要?
畳の拭き掃除に特別な洗剤はいらない
畳を拭き掃除するときには、基本的に洗剤は必要ありません。
畳の表面はツルツルしているので、普段は乾拭き、汚れがあるときは水拭き+乾拭きで大抵の汚れは落とせます。
畳にできる汚れは皮脂や食べこぼしなど簡単に落ちるものがほとんどなので、基本的には洗剤を使わず拭き掃除をすればOKです。
年に一度の大掃除であっても、目立つ汚れがなければ特別な洗剤を使う必要はありません。
カビが生えている部分にはアルコールを使用する
畳にカビが生えてしまった部分にはドラッグストアなどに売っている消毒用エタノールを使用しましょう。エタノールは揮発性が高いため、お手入れをした後乾きやすく畳の拭き掃除にはぴったり。アルコールスプレーでも良いですが、アルコール度数70~80%のものがおすすめです。
まずは畳がよく乾いた状態で畳の目に沿って掃除機をかけ、カビを吸い取ります。
その後エタノールやアルコールをカビの生えた部分に直接スプレーするか、エタノールを染みこませた布でカビを拭きとります。その後、乾いたぞうきんで拭き上げればOK。拭き上げるときはぞうきんに付いたカビを他の場所に広げないために、同じ面を何度も使わず毎回新しい面で畳を拭くようにしてください。
拭き終わったら畳をよく乾かしましょう。
畳の拭き掃除に使える専用シートも
畳の拭き掃除に使える畳専用のおそうじシートも市販されています。
フロアワイパーと一緒に使えば屈まなくても立ったまま畳の拭き掃除ができるのでラクチン。
畳専用のシートなので繊維が畳の目の細かい部分まで綺麗にしてくれるほか、シミになったりといった心配もなく、安心して使用できます。
畳の拭き掃除できれいが長持ち!畳の空間で快適に過ごそう
畳のある和室とはいえ、普段は掃除機などで掃除して終わり、という家がほとんどなのではないでしょうか。
掃除機でも拭き掃除でも、畳の掃除は畳の目に沿ってやるのがポイントです。ですが、昼間不在の間にロボット掃除機が掃除しているという家も多いですよね。
畳は柔らかく足にやさしいだけでなく温度や湿度を調整し快適な空間にしてくれる半面、フローリングなどに比べてダメージが見た目に表れやすい素材でもあります。
日頃から少し気を付けてあげるだけでも、畳の寿命は延びきれいな状態を長く保つことができます。
拭き掃除などのお手入れや普段の湿度管理など、エアコンなども上手に使いながらきれいな畳を保っていきたいですね。